人気ブログランキング | 話題のタグを見る

セミナー

セミナーを企画し、今日実施しました。
"Interface of anthropology and biodiversity"

私の事務所の方やCIP(International Potato Center)の方が来てくださりました。
ドメスティケーションや家畜・栽培植物の多様性に関する日本の生態人類学的研究について、
波佐間逸博さん(日本学術振興会ナイロビ・研究ステーション)から、コメントをいただきました。

私を含めて9人の研究者が、現在の作物の品種多様性、遺伝資源の現地保全に
関する研究に、人類学がどのように貢献できるのかをめぐって、話し合いました。

・私の発表に対して、経済的な要因以外にも注目して調査をおこなう人類学的なアプローチ
が新鮮に映ったようです。
市場経済と多様性との関係に関して、たとえばウガンダ西部では、カンパラへの出荷が
増えているにもかかわらず、品種多様性が逆に増えている、というコメントも受けました。
市場経済化と、品種多様性はかならずしも対立するものではなく、その間に非常に多くの
要因が絡んでくることを確認しました。
このあたり、昨年京都でおこなったワークショップでも議論になったところです。

・男女の認識や行動の違いについて、議論されました。
品種の識別をめぐって、それに限らず、女性はなにごとも、細かく認識する傾向がある、
といったことを、ある研究者が説明していました。

・サツマイモの場合は、世帯における品種構成が、歴史的に大きく変化してきたそうです。
それは、バナナの場合と大きな違いであることが分かりました。

・どのように一般化するのか、という問題で、人類学でよく用いられる、
狭い範囲で統計学をあまり用いない方法は、生物学プロパーの人たちには受け入れにくく、
そこが、二つの分野を隔てるものだ、ということも指摘されました。
。ただ、どちらにも良い点があります。
どのように相補的にするのか、という実践的問題は、セミナー以後も、つねに課題となりそうです。


------------------------------------------------------
"Interface of Anthropology and Biodiversity"
Time: 10:00-12:00, 2 August (Thursday)
Venue: Boardroom, Bioversity International, Uganda

This seminar focuses on anthropological approach to biodiversity.
At first, some characteristics of anthropological perspective are introduced.
Secondly, a case study of banana farmers in Buganda is presented.
Finally, we discuss how anthropological approach can contribute
to in situ crop genetic resource management.

Programme

1 Anthropological Approach to Landrace Diversity of Bananas.
SATO Yasuaki (Kyoto University, Japan)

2 Comment.
HAZAMA Itsuhiro (Japan Society for Promotion of Science, and Kyoto
University, Japan)

3 Discussion
セミナー_c0114494_22362646.jpg

# by bananauganda | 2007-08-02 22:36

バナナのコンサート

今度、カンパラで面白い名前のコンサートがあります。
名前は、Oluwombo!
バナナの葉でつくった袋、およびその中に食材をいれて蒸し煮した、
ガンダの名物料理の名前です。
このことばは、「いろんなものを束ねる」といったような意味の比喩でも使われます。
たしか、袋だたきにする、といった意味にもこのことばを使っていたような気が・・・

当日は、いろんな歌手がでてくることでしょう。
カンパラ中心部にあるスタジアムで開催されます。

なおカンパラでは、年に一回ekitooberoという名前のコンサートも開催されます。
このことばは、バナナだけでなく、いろんな主食やソースを一緒にまぜた料理のことで、
ガンダの東のソガのことばが語源と聞いています。
バナナのコンサート_c0114494_22385312.jpg

# by bananauganda | 2007-07-21 22:37 | バナナ

ルワンダ農民とケニア農民

先週と今週、それぞれルワンダ・コンゴの農家(10人位)とケニアの農家(6人)の方が
ウガンダに来て、病虫害の対処法について勉強していきました。
病虫害の研究や予防策の広まりに関しては、ウガンダが東アフリカで先進国のようです。
先月にルワンダでのワークショップでお会いした何人かとも再会できました。

出身国によって、キャラクターが大きく違うのが印象深かったです。

ルワンダ人、コンゴ人の方は、とにかくフレンドリーでなれなれしく、いかにも田舎っぽい感じ。
大都会にでるのがはじめて、という人もいて、「あいつはパリに来たのか、カンパラに来たのか
区別が付かないんじゃないか!?」などとみんなで爆笑したりして、和気藹々としてました。

たいしてケニア人の方は、スマートなしゃべり方で、まじめでした。この知識をみんなで
持ち帰って広めよう、と、パーティーの場でも真剣に話してました。
また、「ウガンダは青々していて、バナナも立派でびっくりした!」とのこと。

ウガンダ人は、その中間なような気がします。

一方で、ケニア農民の方たちとのパーティーの場で、ボスが
「みんなバナナを育てている。ケニアとウガンダには、同じ言語を話す人たちがいる。
ケニアからも、研究員の方がウガンダにきている。病虫害の広がりには国境はない」
と挨拶していました。
東アフリカの国々は、さまざまな連続性があるのも確かです。
# by bananauganda | 2007-07-19 18:55 | バナナ

ルワンダ

カンパラに戻ってきました。

今回は、すでに研究員とドライバーさんがコンゴのGomaにいたので、研究所の車ではなく、バスで行きました。カンパラからルワンダの首都キガリまでは、大型バスで約9~10時間(国境の手続きの時間を含む)、キガリからワークショップのあるGisenyiまではミニバスで約4時間かかりました。(ウガンダとルワンダは、時差が一時間です)

ルワンダの農業がバナナ中心なのには驚きました。ウガンダにはじめてきたとき、バナナの多さにびっくりしたのですが、ルワンダはそれ以上でした。

ワークショップは、和気あいあいとおこなわれました。英語、フランス語、ルワンダ語の3つが使い分けられていました。

ウガンダからルワンダにかけての様子はあまり知られていないと思うので、旅の情報もかねて、すこしずつアップしていきます。
ルワンダ_c0114494_2032261.jpg
ルワンダ_c0114494_2053423.jpg

# by bananauganda | 2007-06-10 19:54 | ルワンダ

ルワンダへ

今週末から1週間ほど、ルワンダに行ってきます。
昨日、ビザもとれました!

うちの研究所とルワンダ政府主催の、
Banana Xanthomonas Wilt Training Workshopに参加してきます。
首都キガリは中部にあるのですが、
ワークショップがあるGisenyiという町は、西部にあります。
Kivu湖北岸で、コンゴまですぐです。

今月、研究所主催で、ケニア、ブルンジ、コンゴで同様のワークショップが行われました。
それらには行きそびれてしまいました。

病害は、国境を簡単に越えるうえに、農家の人が気づかないうちに広がったりするので、
なかなか対策が難しいです。
毎日の大事な主食の作物なので、病気にかかっている恐れがあるからといって、ばんばん
切り倒すわけにもいかないですし・・・。

そこをめぐって、ルワンダ農政の上層部がどんなことを考えているのかに
注目しながら、このワークショップに参加したいと思っています。
また、ルワンダには、どんな種類のバナナがあるのか、どんなバナナの景観が
広がっているのか、という点も非常に気になるところです。
# by bananauganda | 2007-05-31 16:50 | バナナ